Chroma 17010、自動車用バッテリーテストに1mS過渡状態サンプリングアプリケーションを提供

04 Mar 2021

安全な範囲内で車両のバッテリーが正常に動作するためには、高度なバッテリー管理システム(Battery Management System、BMS)を使用したリアルタイムの制御が必要となり、バッテリー等価回路モデル(Equivalent Circuit Model, ECM)(図1)が組み込まれることが多くなります。このモデルの正確な数学的推論により、バッテリーの充電状態(State of Charge, SOC)、バッテリーの健全度・劣化状態(State of Health, SOH)、およびバッテリーの機能状態・出入力劣化(State of Function, SOF)が正確に推定されます。

Battery Cell ECM
▲図一. バッテリー回路イメージ図
Voc:開放電圧; Ro:オーミック抵抗; Rc1/Rc2:分極抵抗; C1/C2:分極容量; IL:出力電流; VL:端子電圧

(図1)中のオーミック抵抗(Ohmic resistance, Ro)はバッテリーの出力電力を評価する重要な指標です。このパラメーターを正確に得るために、充放電の瞬間の電圧と電流の変化を最大1mSのサンプリング速度でキャプチャする必要があります。そうすることにより、分極抵抗(Rp)および分極容量(Cp)を効果的に分離できます。つまり、充放電設備が過渡電圧の変化をキャプチャできるかどうかは等価回路モデルのオーミック抵抗を効果的に識別するための重要な指標になります。また、バッテリーセルの実際の状態を正確に反映できる等価回路モデルは、高精度の充放電デバイスで電圧、電流、および温度を測定し、正確なモデルパラメーターを特定する必要があります。一般的な検証法では、(図2)に示したハイブリッドパルス電力特性(Hybrid Pulse Power Characterization, HPPC)試験波形を介して特性電圧と電流を取得し、オーミック抵抗(Ro)、分極抵抗(Rp)と分極容量(Cp)を取得します。


▲図2.HPPCテストのプロセス

Chroma 17010充放電テストソリューションは、1mSのサンプリング機能を提供します。正確に電気テストの瞬間的な変化をキャプチャできます。(図3)赤い丸のところ、Chroma Battery LExテストソフトウェアの簡易なステップ編集で、SOC%テストポイントを直接入力します。ユーザーは迅速にHPPCテスト計画を作成することが可能であり、組み込まれて図一. バッテリー回路イメージ図いる変数定義関数とソフトウェアの四則演算式の編集により、オーミック抵抗(Ro)と分極抵抗(Rp)の結果を自動的に計算できます。更に、テストレポートに直接表示されるため、アプリケーション全体が簡易化され、テストのニーズを満たします。

Chromaは、精密機器の分野で30年以上の経験があり、様々なパワーエレクトロニクス関連のテストアプリケーションの専門で、自動テストシステムのリーダーです。 新エネルギーの開発動向に対応し、電気自動車やエネルギー貯蔵システムの試験などの業界にも積極的に投資し、幅広いソリューションを提案し続けています。 関連商品情報はクロマ公式サイトまで、ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。


▲図3.HPPCテスト環境中の1ms過渡状態サンプリング

Chroma 17010バッテリーセルの充放電テストシステム