(62000H-S(2kW~15kW)その1 / 62000H-S(2kW~15kW)その2)
ソーラーパネルの日照変化や時系列変化をシミュレーションできる、低価格でコンパクトな太陽電池模擬電源
次世代エネルギーとしての活用が最も期待されているひとつが太陽光発電システムです。ソーラーパネルから変換される直流電圧/電流をいかに効率的に変換できるかは、パワーコンディショナの性能によります。しかしソーラーパネルの発電効率は実際の天候に左右され、性能を評価するには困難が伴います。クロマは実天候に左右されずにパワーコンディショナの性能を試験できるよう、ソーラアレイ(太陽電池)シミュレーション機能を持った直流電源をご用意しました。一日の朝、昼、晩や晴れ、曇り、雨による日照変化だけでなく、時系列的な変化をシミュレーションすることも可能です。パワーコンディショナのMPPT特性試験だけでなく、地域差による日照変化を模擬したいというニーズに対応します。
ソーラーアレイI-V曲線シミュレーション
62000H-SシリーズはVoc,Isc,Vmp,Impなどのパラメータにより、様々な太陽電池素材のI-V特性出力を高速にシミュレーションすることができます。テーブルモードではリモートインターフェースによってユーザーが定義した電圧と電流を128ポイントまで保存、100通りのI-V曲線プログラムと滞留時間(1-15000秒)を一緒に保存できます。そのため簡単に日陰のI-V曲線などのシミュレーションが可能です。
下記製品特長により、着実で繰り返し精度に優れた試験が出来るため、パワーコンディショナの開発や評価に使用可能です。
- 最大電力追従回路やアルゴリズムの検証、設計
- 動作入力電圧の最大/最小制限の検証
- 最大電力点で許容される動作入力電圧の最大/最小制限の検証
- スタティックMPPT効率の検証
- 全体の効率と変換効率の測定・検証(別途電力計が必要です)
- ダイナミック曲線におけるMPPT性能の検証(EN50530、Sandia、CGC/GF004)
- 日の出から日没までのさまざまな時間条件でのMPPT効率の検証
- 太陽電池のパネルが雲や木などで影になった条件でのMPPTや性能の検証
- 実際の環境温度下でのバーンイン試験におけるI-V曲線シミュレーション
ソーラーアレイI-V曲線シミュレーションソフトパネル
62150H-SシリーズはPCソフト上でインターフェース(USB/GPIB/イーサネット/RS-232)を介してコントロールが可能です。リアルタイム試験のためにI-V&P-V曲線を簡単にプログラムできます。また、パワーコンディショナーのMPPT状況も表示します。
様々な太陽電池素材のI-V特性をシミュレーション(FILL FACTOR)
ソーラーアレイからの直流電圧をグリッドへの交流出力に変換するためのパワーコンディショナは、太陽からの照射強度や温度条件に順応し、最大の効率を出さなければならないため、MPPT効率はもっとも重要な要素となります。単結晶、多結晶、薄膜系などさまざまな太陽電池素材のMPPTアルゴリズムや効率の検証に対応したFILL FACTOR*パラメータを装備しています。 *Fill Factor = (Imp*Vmp)/(Isc*Voc)
スタティックMPPT効率試験
フロントパネルまたはソフトパネルからI-V曲線をSASモードまたはテーブルモードで簡単にプログラムすることができ、最大100通りのI-V曲線を保存する事ができます。保存されたI-V曲線を後から読みだすことができ、リアルタイム追跡機能によるMPPT効率試験およびモニタリングできます。ソフトパネルではスタティックMPPT効率試験の時間を設定する事ができます。各曲線の試験時間はベストな状態でのMPPT効率の性能を分析するため、60-600秒の間で設定することができます。
ダイナミックMPPT効率試験
最新の試験規格(EN50530, CGC/GF004 & Sandia)にはダイナミックMPPT効率のパターンをテストするための手順が明記されています。これらの規格に準拠したダイナミックMPPT効率試験を行う事ができ、I-V曲線の式とテスト項目を選択する事により、ソフトウェアを介して視覚的に試験することができます。この機能はダイナミックMPPT効率を試験するため、実際の天候変動下での照射強度や温度変化をI-V曲線としてシミュレートします。ソフトウェアは試験実行後にMPPT効率を算出します。各テストデータはソフトウェアに保存され、分析および検証に使用できます。
日陰I-V曲線シミュレーション
テーブルモードでは128ポイントのI-V曲線を電圧と電流のエクセルデータにより作成する事が可能です。この情報はソフトウェアを通じて実行され、日陰のI-V曲線のシミュレーションなど、様々なI-V曲線をプログラムできます。このI-V曲線に基づき、MPPT効率を分析および検証することが可能です。
変換効率の評価 *
SandiaとEN 50530におけるI-V曲線の作成において最大入力電力(Pmax)、I-V FILL FOCTOR、Vmin、Vnom、Vmaxを入力することが可能です。最大電力パーセンテージ値(5%, 10%, 20%, 25%, 30%, 50%, 75%, 100%)をクリックすることで、試験する太陽電池のI-Vカーブを自動的に作成します。その後、このデータを実行し、PVインバータの変換効率テストを曲線上で行います。
*別途電力計が必要です。
リアル天候シミュレーション
ソフトウェアはエクセルファイルで作成された1日の照射量や気温の状態データを取り込むことにより、I-V曲線の更新時間を最小1秒間隔で実際の天候シミュレーションのもとでMPPTトラッキング試験を行うことができます。
スタティック/ダイナミックMPPTテスト自動実行機能
ソフトウェアには自動試験実行機能があり、標準規格(EN 50530やSandia)に準拠したスタティック/ダイナミックMPPT特性試験が簡単に行えます。標準値、最大値、最大電力値、安定化およびテスト時間、EN 50530、Sandiaのパラメータを入力すると、自動でテストを開始しレポートを作成します。
レポート機能
ソフトウェアにはデータを記録/保存する機能があります。保存するデータは電圧、電流、電力MPPT効率および対応するパラメータのサンプリング時間(1s~10000s)で、レポートは研究開発における特性の検証や、生産品質管理に利用することができます。
最大150KWまで拡張可能なマスタースレーブ並列運転
大容量が必要な場合は62000H-Sシリーズをマスタースレーブ機能により並列させることができ、最大10台/150kWまで増設する事ができます。このモードでは、マスターとスレーブが高速でデータのやりとりを行い自動的に最適な電流を分配、出力します。
1500kWまでのカスタマイズ
※620029 コントロールユニットが必要
複数の150kWソーラーアレイシミュレータシステムを並列接続し、最大1000V/2500A/1500kWまで増設できます。出力電圧、電流をディスプレイに同時表示し、電流分配容量は1500kWまで。標準のUSB/GPIB/イーサネットインターフェースでコントロールできます。